ばらいろSENSATION

女性向け漫画を中心に、読んだものや見たものの感想などを、自由気ままに書いています。漫画全般からアニメ、映画、一般小説、ドラマ、音楽などなど。ただし、趣味が偏っていると思われますので、このブログの記事は決して参考にしないでください☆

【一般小説】藤木稟『バチカン奇跡調査官5 血と薔薇と十字架』4

バチカン奇跡調査官 血と薔薇と十字架 (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]

バチカンの美形神父、平賀ロベルトが活躍する『バチカン奇跡調査官』も5冊目です。

2017年にアニメにもなっていたようですが、3冊目くらいまでしかアニメでは盛り込んでいませんね。
その代わり、平賀やロベルトの協力者、ローレンや、平賀の弟、良太のことを少し掘り下げているみたいで。
原作小説ではまだ、この二人の背景についてはあまり出てきていません。
アニメオリジナルなのか、今後、出てくるのか。
色々と楽しみです。

現在、原作は23巻まで出ているみたいなので、道は長いなあ。
新作も今後出るでしょうしね。

さて、5巻目、サブタイトルが「血と薔薇と十字架」
これが指すものは、一つですよね。

吸血鬼です。

いよいよ、平賀とロベルトも吸血鬼の謎に挑みます!

今回は、いつものようにバチカンからの指令で調査するのではなく、たまたま英国で仕事を終えて戻る途中で、事故に遭遇。

事故に遭った場所、ホールデングスという田舎町で、吸血鬼を目撃するのです。

しかも、他の街へ通ずる道がふさがれ、ミステリーでいうクローズドサークル状態。
町長のルークの屋敷にしばらく滞在しなくてはならなくなります。

滞在中、吸血鬼に襲われて命を落とす町民が後を絶たず、平賀もロベルト調査に乗り出します。
というのも、二人はもともと吸血鬼に興味があったみたいなんですね。

さらに、ルーク家には吸血鬼専門家と自称するタリチャアヌ教授がいて、二人は教授から色々と話を聞きます。

ホールデングスの地を治めているのは、代々ブロア家という大貴族で、ルーク家もその流れを汲んでいます。
そして、この地では昔から吸血鬼の存在が信じられているのです。

今回も、たくさんの人が首筋に噛み後を付けて失血死しますが、警察は「吸血鬼の事件は教会が担当」と言って、殺人事件ととして取り扱いません。
警察の介入はほぼないのです。

科学的な検証をしつくさないと、吸血鬼の存在を信じられない平賀とロベルト。
しかし、いつもと違って、ちょっと調査が難しい事情が出ました。

英国はプロテスタントが主流。
この街にあるのも、英国国教会なので、ローマ・カソリックの本山であるバチカンから来た二人は、煙たがられてしまいます。

なので、教会内の捜査や、教会の書庫は使えませんが、二人は吸血事件があるたびに、ずかずかと現場に赴き、現場検証をしたり、血を採取したり。

吸血鬼の謎を解きたいという熱意があるからとは思いますが、なかなかに図々しいというか、行動的です。

ただ、二人の目の前に吸血鬼が現れるし、雲もないのに雷の音を聞いたり、不思議な光を見たり、吸血鬼が一瞬で山の上に移動したりと、どう考えても超人的な存在がないと説明がつかない事ばかり。

さすがに、今度は本当に人知を超えたものがあるんじゃ…と思わせられます。

まあ、毎回そうなんですけど。

二人は、吸血鬼の正体と、その謎を解くことができるのでしょうか?

また、今回も平賀が危険な目に遭います。

とある人物が、吸血鬼と契りを結んで不死になりたいと画策。
この人物が吸血鬼と見せかけて殺人を起こしたりもするものだから、余計に事件が増えて、ややこしいことになっていたんです。

吸血鬼と契約を交わすには、生贄が必要。
その条件は「童貞か処女の、若くて容姿の美しい聖職者」。

これって、平賀じゃん!

そう、平賀は攫われて、生贄として捧げられかけます。
そこに、現れるのがバディのロベルト!!
暗号で隠されたを見つけて、あわや、というところで平賀を救い、別に現れる敵から何とか逃げ切ります。

これぞバディ!

敵は命を落としましたが、どうせ吸血鬼のせいになって警察も動かないのだから、二人はさっさとバチカンに戻ります。

分かったことも多いですが、一部謎は残っています。

そして、最後の最後に、あの人の存在がちらっと表示されます。

あの、もう一人の美しい男性、今のところ、二人の敵である秘密結社の彼ですよ。
シリーズ各話の裏で、大きなものが動いていることが示唆されているわけで。

次巻以降も読ませようってことね!!

今回、FBIのビルは出てきませんでしたが、また登場するのも楽しみです。

バチカン奇跡調査官 血と薔薇と十字架 (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]
バチカン奇跡調査官 血と薔薇と十字架 (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]

【一般小説】コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』3

バスカヴィル家の犬 (角川文庫) [ コナン・ドイル ]

いきなり、古典ミステリーです。

バディものの元祖と言えば、シャーロック・ホームズですよね。
ワトソンとの仲は、様々な憶測を呼んでいます(少なくとも腐女子界では)。

最近、同名の邦画が公開されましたね。
ディーン・フジオカさんが演じている『シャーロック』の劇場版として。

私が好きなシャーロックは、やはり、ベネディクト・カンバーバッチが演じているものです。

それはそれとして、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズは、たくさん翻訳が出ていますが、今回は、BLも描く漫画家、えすとえむさんが表紙の角川文庫版を読みました。

この表紙、目を引きませんか?
さすが、えすとえむさん。
彼女の作品も大好きです。

さて、『バスカヴィル家の犬』のあらすじです。

ムアという土地で財を成した伯爵、サー・チャールズ・バスカヴィルが何者かに殺された。
バスカヴィル家には、魔犬にまつわる伝説があり、チャールズの遺体のそばには、大きな犬の足跡が残されていた。

ムアでは魔犬を目撃した住民もおり、バスカヴィル家には悪魔が取り付いているとの噂が。

主治医のモーティマー博士は、バスカヴィル家の相続人で、アメリカからバスカヴィル家に来ることになったサー・ヘンリー・バスカヴィルに災厄がかからないようにするにはどうしたらいいか、ホームズに助言を求めにくる。

実際、ヘンリーが泊まっていたロンドンのホテルには、「ムアには近づくな」という文書が届いたり、ヘンリーを尾行する馬車が現れたり。

ホームズはロンドンを離れられないと言い、ワトソンにヘンリーに付き添ってムアまで行くように言う。

ワトソンはヘンリーを警護しつつ、ムアのバスカヴィル家に滞在することに。

ムアには奇妙な住人や、おかしな行動をする執事が居たり、さらには脱獄囚がこの地に逃げ込んでいたりと、チャールズを殺し、ヘンリーに危険をもたらす人物が誰なのか、さっぱり分からない。

しかも、ワトソンは報告書をホームズに送るが、彼がこちらに来る様子もない。

バディなのに、離れ離れになりすぎ―。
もともと、ワトソンの手記という形をとっているので、ちょっと単調だなーと思っていたら!

ホームズ、登場!
思ってみもない状況下で、ワトソンは彼と再会するのです。

ホームズが再登場してから、事件はとんとん拍子に解決していきます。
退屈に見えたワトソンの報告書も、すべて事件を解くカギになっていたのでした。

二人が襲われかけたり、人間模様が交錯したりと、いろいろな出来事が次々と起こって、後半は躍動的でした。

犬の正体が明らかとなり、犯人の罪は暴かれ、ヘンリーは助かります。

ただ、現代の推理小説と違って、犯人のやろうとしていたことが、本当に叶ったかどうかがホームズにも分からなかったり、犯人が逃げてしまったりと、ちょっと明確でないところもありますが。

最後はホームズとワトソンが仲良くベイカー街の一室で、事件を追想して終わります。

たくさんのパスティーシュ(パロディ)が生まれている小説の元祖を改めて読むことで、今後、何らかの「ホームズ」に出会った時、さらに楽しめる気がします。

バスカヴィル家の犬 (角川文庫) [ コナン・ドイル ]
バスカヴィル家の犬 (角川文庫) [ コナン・ドイル ]


【一般小説】藤木稟『バチカン奇跡調査官4 千年王国のしらべ』4

バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]

バチカンの美形神父、平賀とロベルトのコンビが、奇跡調査を行うシリーズ第4弾。

毎回、どう考えても奇跡だという現象に、奇跡を否定する裏付けを見つけてしまう二人。
でも、今回の奇跡はかなりの強敵でした。

その奇跡とは、なんと死者の復活!
第4弾でこの奇跡に来ちゃいましたか!

バルカン半島のルノア共和国内アルベン自治区にあるラプロ・ホラ教会の司祭、アントニウス14世は、
反カソリック勢力の狙撃により、公衆の面前で死亡したあと、三日後に蘇ったという。

さらに、多くの重病人を奇跡的な力により治癒してきており、その力は今でも健在。
死から復活した後も、敬虔な祈りの日々を送っているという。

この奇跡から、彼を聖人に認めて欲しいと、イエズス会が推挙してきたのだ。
死者の復活はキリスト以外ありえない。
しかもまだ生きている人を列聖するとは。

平賀とロベルトはこの奇跡が本当の奇跡かどうか調べるため、ルノア共和国に向かう。
この国は、カソリックだけでなく、東方正教会やムスリムの信者も多い。
その中でアルベン自治区はほぼ自給自足の生活を送っていた。

自治区に着いてアントニウス14世に会う平賀とロベルト。
そこで、さっそく彼らは奇跡を体験する。
アントニウス14世の後を付いていくと、水の上を歩いて渡れてしまったのだ!
その時の感覚は、二人ともなんとも表現できないでいた。

彼らは、水の上を歩けたことに関して、川を調べたり、その時の録画を何度も見たりするが、合理的な説明がどうしても付けられない。
さらに、様々な科学的調査を行うも、アントニウス14世が頭を撃ち抜かれて死亡したこと、今の彼が狙撃前のアントニウス14世と同人物であることが分かるだけだった。

また、二人は目の前でアントニウス14世が目の見えない病人を治すところに立ち会う。
癌などの重病をアントニウスに直してもらったという人や、彼の襲撃事件を目の当たりにした人たちにも話を聞くが、怪しいところは見られない。

それどころか、平賀自身がもっと強烈な奇跡を体験する。
彼は、突然反カソリックに拉致され、毒をかがされ、重篤状態となってしまう。
ロベルトは平賀を失うという事実に悲痛な思いを抱えながらも、神父として、死にゆく平賀に聖餐を授けることに。
平賀はついに心停止。

と思いきや、そこに現れたのがアントニウス14世。
彼は、平賀を生き返らせてしまったのだ!!

どう考えても、アントニウス14世は奇跡を起こせる。
とうとう二人とも彼の奇跡を認めざるを得なかった。

しかし。

平賀はちょっとした違和感に気づく。
ロベルトも同様だった。

この、どこからどう見ても奇跡にしか思えない事象を、二人はどう解釈するのか。

今回もレギュラーメンバーとして、FBIのビル・サスキンス捜査官が登場。
アメリカの要人が殺された事件が、アントニウス14世襲撃事件と関わっているという。
世界を股にかけて活躍していますね。
それだけ、陰謀というのはワールドワイドなんですけど。

また、平賀とロベルトが服を脱ぐシーンも。
いや、大した描写はないんですけどね。
何か嬉しくないですか!?

ネタバレOKの方は、この先をお読みください。

次回はどんな奇跡を覆すのかな~。
楽しみなシリーズです。

バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]
バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]


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【一般小説】藤木稟『バチカン奇跡調査官3 闇の黄金』

バチカン奇跡調査官 闇の黄金 (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]

藤木稟さんの「バチカン奇跡調査官」シリーズ3作目!
美しい神父二人が謎を解く!

今作は、前作『サタンの裁き』に登場したFBI捜査官のビル・サスキンスや、いなくなってしまったジュリアも再登場です。
表紙のイラストがジュリアなので、出てくるんだなーと分かりますね。

前作の紹介はこちらから。


このシリーズの主人公は、日系の神父、平賀と、イタリア系の神父、ロベルト。
平賀については、このような紹介がされています。
「長い前髪から覗く、睫毛の長いアーモンド型の黒い瞳。色白で華奢な青年。だが、少女のような風貌とは裏腹に、緻密な頭脳と強い信念の持ち主」ですって。

また、ロベルトに至っては、「ダークブラウンの髪に明るい青い瞳。際立ってハンサムで、映画のロケスタジオに居てもおかしくない容姿」って、超イケメンってことですね。

この二人が、ともに奇跡を調査するうちに、だんだん仲が深まっていく…のを期待してしまいますが、あくまでも一般小説です。
もちろん、1作目から二人は信頼し合っているので、腐女子としてはそれだけでもう、ときめきますけどね。

さて、今回、二人が調査する奇跡は、イタリアの教会で起こった、キリスト像の色が変わり、主の訪れを告げる角笛の音や虹の光が現れるというもの。
二人はこの教会に赴き、平賀は科学的見地から、見事に謎を解き明かします。
つまり「奇跡」ではなく、科学で説明がつくものであったことを証明します。

これは、毎回の二人の任務ですが、そんなことよりも、この教会で起こった殺人事件や、影の組織の存在の方が、ストーリーを盛り上げます。

まずは教会のトップであるトロネス司祭が失踪。
また、彼のいなくなった夜、色が白く、目が赤く、髪の毛のほとんどない少年が教会の中で殺されていました。
しかも、首を鎌のようなもので切られて。

この事件は先の教会で起こった「奇跡」と関係があるのか。

もちろん、殺人事件だから警察が動きます。

平賀は、「奇跡」を録画するため、ビデオカメラを教会に設置していましたが、警察はそれを押収。
せっかくの記録が見らない。
奇跡の調査が滞ってしまう!

と思いきや、そこに登場するのがFBIの捜査官、ビル。
教会、カソリック、神父、悪魔、奇跡…みたいな、ちょっと幻想的なワードから、一気にFBIとか殺人事件とか検死解剖とか、刑事ものみたいな現実に引き戻してくれるみたいな存在がビルです。

なぜアメリカにいるはずのビルがイタリアの小さな村に来たのか。

それは、殺された少年が握っていたのがドルの偽札で、そこに指名手配中のジュリアの指紋が残っていたからでした。

ジュリア、証拠残しちゃってた??

平賀とロベルトは、ビルと共に事件の謎を追っていきます。

やがて、村の地下に大きな迷路があるのを発見。
入っていくと、そこには何世代にもわたって閉じ込められ、強制的に金の発掘をさせられていた一族が居ました。

その中の一人が殺された少年で、地下から逃げてきたところを殺されたようなのです。

さらに中を探っていくと、偽札工場が!!
地下の牛耳っていたのは、前回も話題に上がった、悪魔崇拝の世界的組織「ガルドウネ」。
ガルドウネは、紙幣の数を操作することで世界中の経済を混乱させ、金の価値を上げたり下げたりを意図的に行うことで儲けようとしていたのです。

つまり錬金術と言えます。

地下に閉じ込められて強制労働させられていた一族や、贋金づくりの秘密を知ってしまった一行の前に表れたのが、美しいプラチナブロンドの青年、ジュリア。
彼は中世フランス貴族の名門、バルボアナ家の末裔で、この一族は代々、悪魔崇拝を行っており、ガルドウネの中核にいる人物だったのです。

ジュリアは平賀とロベルトをガルドウネに誘います。
その言葉巧みなこと!
しかし、二人は心を揺らしつつも拒否。

するとジュリアは彼らを密閉された「死の部屋」に閉じ込め、水を満たして溺死させようとします。

絶体絶命の大ピンチ!
と思いきや、平賀とロベルト、ビルの三人は知恵を絞って脱出方法を発見。
からくも地下から別のルートで逃げ切ります。

ビルは贋金づくりのフロント企業となっていた組織を閉鎖することを警察本部に命令。

ガルドウネの思惑は阻止されたかに見えますが、なんといっても世界中にはびこっている地下組織のため、大した打撃は与えられなかったでしょう。
ジュリアも逃げてしまったようだし。

平賀は、教会の謎を解くとともに、トロネス司祭の失踪の謎も解き明かします。

トロネス司祭は、なぜか凍死状態で、遺体だけ農家の納屋に落ちてきていたんです。

なんじゃそりゃ??

起こりそうにないことでも、平賀の頭脳にかかると、ちゃんと説明がつく現象になるんですね。

教会の謎が解け、ガルドウネが世界的な企てを行っていること、そしてそれにカソリックの教会が絡んできていることが分かりました。

ただ、この先、もっと大きな事件が起こって、平賀とロベルトも巻き込まれていきそうです。

今回、二人は相手を尊敬する気持ちを深め、ビルからの信頼もより厚いものとなったようです。

平賀たちが謎を解いていくところや、地下迷路の情景、彼らの冒険の下りなど、読んでいてわくわくしますよ!

ぜひ第一作目の「黒の学院」から読んでいただくのがお勧めです。

バチカン奇跡調査官 闇の黄金 (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]
バチカン奇跡調査官 闇の黄金 (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]

【一般小説】東野圭吾『クスノキの番人』4

クスノキの番人 [ 東野 圭吾 ]

東野圭吾の非ミステリー小説です。

不思議な「クスノキ」とその番人を代々務める一家のお話。

ちょっとした窃盗で留置所に入れられてしまった青年、玲斗は、ある人物が雇った弁護士によって助け出される。
釈放と弁護士費用を肩代わりする代わりに、命に従うこと。
玲斗は、その条件を飲んだ。

彼を救った人物とは、大企業、やナッツ・コーポレーションの顧問、柳澤千舟という年配の女性だった。
実は、彼女は玲斗の母親とは腹違いの姉であり、玲斗の伯母に当たる人物だった。

千舟は、玲斗に「クスノキの番人」を命じる。
クスノキとは、柳澤家が管理する神社にある大木で、横から木の幹に出来た空洞に入ることができる。
その中で願い事をすると叶うという噂が流れていた。

このクスノキは、昼間の間は誰でも見学に来られるが、夜の「祈念」は予約制で、何やら訳アリの人物たちが訪れる。

玲斗は祈念の意味やクスノキの力を知らされずに「番人」になったが、やがてその秘密を少しずつ理解するようになる。

新月の前後にクスノキに「預念」すると、血の繋がった者であれば、満月の前後に「受念」することができるのだ。
「念」とは、その人物の想いそのもの。
時には、過去のすべてが詳らかにされてしまう。
なので、遺言として預念する者が多い。

しかし、そこには複雑な人間の想いが絡まり合っているのだった。

ある人物は、亡き兄が頭の中で作った曲を再現したい。
ある人物は、血のつながりがないと分かっているのに、息子を指定して念を預ける。
ある人物は、懺悔の気持ちを隠したまま、認知症が進む前にと預念をする。

玲斗は、クスノキで念をやり取りする人たちを助けるうちに、人の温かい思いに触れ、人間的に成長していく。

そして、玲斗自身が念を受ける日が来る。
そこで知るのは、伯母、千舟の秘密だった。

不思議な「クスノキ」のお話。
玲斗と千舟の心の交流が、ゆっくりと温かく描かれています。

言葉にできない「念」をクスノキに残せるとしたら、あなたは誰に伝えたいですか?

ガリレオシリーズなどのミステリーとは全く違い、ファンタジーな世界観と、同作者の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に通じる、ほんのり心が温かくなる一面を持った作品でした。

クスノキの番人 [ 東野 圭吾 ]
クスノキの番人 [ 東野 圭吾 ]

【一般小説】東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』4

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 [ 東野圭吾 ]

またもや、東野圭吾です。
最近、連続して読破中!

この作品は、シリーズものではありませんが、探偵役、助手役がいる、本格ミステリに近い作品でした。
しかもコロナ禍が舞台なのでタイムリーです。

結婚を控え、東京で一人暮らしをしている真世は、突然、父の訃報を警察からの電話で知る。
しかも、殺されたらしいとのこと。
真世は急いで廃れた観光地である地元へ戻る。

実家に帰ると、警察と、もう一人、叔父の武史に会う。
武史は恵比寿でバーを営んでいたが、久々に戻ってきたらしい。

警察から連絡を受けたわけでもないのに、このタイミングで帰ってきたのは果たして偶然か。

武史は破天荒な性格しており、警察を相手に堂々と交渉したり、刑事のすきをついて警察手帳を盗んだりと大胆不敵。
一時期はアメリカでマジシャンをしていたようだ。

この武史こそが探偵役、ブラック・ショーマン!

真世の父、神尾は地元の中学校の教師だった。
真世もその同級生たちも彼の教え子だ。
奇しくも、真世の中学時代の同級生たちは、神尾を呼んで同窓会を開く予定だった。
そのため、事件の前に神尾と連絡を取った同級生は複数おり、だんだんと容疑者は同級生の何人かに絞られていく。

この街は、観光地とはいえ、コロナのせいもあって活気が衰えており、同級生たちは街を復興しようと、同級生の一人が描いた大ヒット漫画、『幻脳ラビリンス』を利用しようとする。
そこには、様々な思惑が交差しており…。

誰からも慕われていた神尾が殺されたのは、この街に渦巻く思惑と関係があるのか。
真世のよく知る同級生の中に、本当に犯人がいるのか。

警察がろくに情報をくれないこともあって、武史と真世は独自に捜査をしていく。

そして、同窓会の当日、武史は殺人を含む、同級生たちが関与したすべての謎を披露するのだった。


この作品で特長的なのは、冒頭にも書きましたが、コロナ禍のリアルが描かれている点でしょう。
犯人を突き止めるという理由もあって、神尾の通夜や葬式が、コロナ禍らしい方法で行われる様子が事細かに描写されています。

また、緊急事態宣言等に翻弄される人々の様子や、コロナで打撃を受けた街や商店等についても言及されており、コロナが終息した後で読んでも、貴重な記録になりそうです。

しかも、この本の発行は2020年11月。
まだ、この先のウィズコロナについて全く指針が定まっていなかった頃にもかかわらず、その後の感染者数の増加や減少、再増加のバタバタを予言しているかのようです。

ミステリーとしても、ちょっとしたヒューマンドラマとしても、コロナ禍の記録としても楽しめる作品でした。

また、探偵役の武史が型破りでありながら憎めないキャラで、とても魅力的。
被害者家族が主人公にもかかわらず、ユーモアあって読みやすい話になっているのも、このキャラクター設定のおかげと言えそうです。

楽しく読めますよ。

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 [ 東野圭吾 ]
ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 [ 東野圭吾 ]

【一般小説】東野圭吾『白鳥とコウモリ』3

白鳥とコウモリ [ 東野 圭吾 ]

たまには(?)超真面目な小説でも。

「罪と罰」という重めのテーマを持った作品。
作者自身が、「この作品を超えるのが今後の目標」とまで言うほどの力作です。

誰からも評判の良かった弁護士、白石が竹芝桟橋に近い路上の車の中で殺されているのが発見された。
スマートフォンの位置情報から、殺されたのは隅田川テラスで、そこから車で発見現場まで運ばれたらしい。

刑事の五代は、白石のスマートフォンをもとに、関係者を辿る。

白石が殺される前、誰にも秘密で門前仲町のコーヒーショップで長時間を過ごしていたことが判明。
そのコーヒーショップからは、とある小料理屋を見張ることができる。

その小料理屋を営む浅羽母娘は、30年前、えん罪で逮捕され、留置所で自殺をした男の遺族だった。
彼女たちはえん罪と信じているが、世間は「殺人者の家族」として二人につらく当たった。
大黒柱を失ったうえに、地元の愛知に居られなくなり、東京へ引っ越してなんとか小料理屋を開いて細々と暮らしていた。

五代は、白石のスマートフォンに着信があった倉木という男が、その小料理屋に頻繁に出入りしていたことを知る。
しかも、倉木は愛知県に住んでいる。

今度の事件に何か関係しているに違いない。
五代は倉木を訪ねていくが、彼の供述の一部が嘘だったり、肝心なことを話していないことが分かり、彼への容疑が高まっていく。

2回目に五代が倉木を訪ね、矛盾点を指摘したところ、倉木はあっさりと犯行を認めた。
しかも、30年前の事件の犯人も自分であると。
もう時効となった殺人を悔い、誤認逮捕された男の遺族である浅羽母娘を、真相は語らずに訪ねて行っていた。
そして、彼女たちに何かできないかと、他人への遺産相続について、偶然知り合った白石弁護士に相談したという。
ところが、白石は本当のことを話すべきだと主張してきたため、過去をばらされたくない一心で殺してしまった。
それが倉木の供述だった。

本人がすべて自供しており、矛盾点もないため、逮捕されて事件は解決、のはずだった。
だが、五代は不可解な感覚を覚える。

倉木の供述を裏付けるものが少ないのだ。

そして、この事件で苦しむことになる人達がいた。
殺された白石の妻と、娘の美令。
そして倉木の息子、和馬だ。

特に和馬は、突然「殺人者の息子」となり、SNSでさらされ、会社も休暇を言い渡される。
父の犯行は信じられないが、自供をしていることから、警察は再捜査をしてくれない。
倉木の弁護士も、刑を軽くすることしか考えておらず、犯人であることを疑ってはくれない。
そして、倉木自身からも親子の縁を切ってほしいと言われ、面会も拒否される。
本当に父親は、2度も殺人事件を起こし、一度目は時効に救われ、長い人生を秘密を抱えて生きてきたのか。
どうしても釈然としなかった。

また、被害者の娘である美令も、倉木の供述を信じていなかった。
特にその動機だ。
白石が強引に自首を迫ったとはとても思えない。
「被害者参加制度」を使って裁判に参加するため、女性弁護士が協力してくれることになったが、彼女もまた、美令が知りたい真相の解明については当てにならない。


和馬と美令はそれぞれに真相を求めて動く。

その中で、倉木の発言の矛盾点が少しずつ明らかになっていくが、警察も検察も動く気配はない。
ただ、五代刑事だけは、倉木の発言に疑いを持っていたが、上からの命令がないと動けない。

やがて、立場が全く逆の和馬と美令は偶然の出会いを果たし、二人は奇妙な共通意識から、協力して捜査をしていくことになる。

そして、浅羽母娘もまた、重要な役割を担っていく。

被害者と加害者の立場が交錯していく中で、誰も様相だにしなかった真実と、倉木の切なる思いが明らかになっていく。

結局、罪を最も被らなければならなかったのは誰なのだろうか。


後半にかけてのどんでん返しは見事だし、加害者の家族になってしまった和馬の状況はとてもリアル。
罪と罰、そしてえん罪について考えさせられる作品です。

ただ、作品の帯に書いてあるような『白夜行』や『手紙』を超える最高傑作と言えるかどうかは疑問です。
特に『白夜行』のようなサスペンス感はなく、『手紙』ほどの重さも感じません。
でも、事件に関係している、というより、関係させられてしまった人たちの悲劇が静かに描かれているところは見事です。

真犯人や本当の犯行動機にはびっくりさせられますよ。

白鳥とコウモリ [ 東野 圭吾 ]
白鳥とコウモリ [ 東野 圭吾 ]

【一般小説】東野圭吾『禁断の魔術』4

禁断の魔術 (文春文庫) [ 東野 圭吾 ]


物理学者の湯川先生と、刑事で親友の草薙の関係がムフフな「ガリレオ」シリーズの長編です。
2015年発行。
先日、「沈黙のパレード」の映画化にともない、こちらもドラマ化されました。

このガリレオシリーズ、短編は、科学的な解明が多くて、仕組みがよく分からないモノも多いですが、短編は、人間ドラマもあり、湯川先生のやさしさが見えるところもあり。
より読みごたえがあるなと思います。

さて、レビュー。

とある女性がホテルで死亡する場面から始まる。
大量の出血。発見者のホテル従業員は彼女が刺されていると思い込むが…。

その事件から数年後、フリーライターの長岡が殺されているのが発見される。
彼は、とある大物政治家のスキャンダルを追っていた。
刑事の草薙は、彼の所持品の中から、奇妙な動画を見つける。
壁に勝手に穴があく現象が録られていた。

草薙は、被害者が湯川に電話をしていたことを知り、彼に会いに行く。
そして例の動画を見せ、「長岡はお前にこれを見せたのではないか」と言うと、湯川は肯定するが、それ以上は何も知らないという。

しかし、湯川はあることに気づいていた。
その動画の現象を起こせる人物を知っていたのだ。

彼の教え子、古芝が高校生の時、湯川は物理学部の実験に力を貸した。
それを応用したものであることを確信していた。

古芝は、大学を中退し、町工場で働いていたが、警察が彼に目を付け始めた頃、姿を消す。

実は、冒頭で亡くなった女性は古芝の姉だった。
殺されたのではなく、病死だったが、ホテルで密会した相手が居たにもかかわらず、具合の悪い彼女を置いて逃げた人物を恨んでいた。

長岡を殺したのは彼なのか。
そして、彼はこの後、どうするつもりなのか。
そして、湯川からレクチャーを受けた「禁断の魔術」の応用版を、どう使うつもりなのか。

湯川は、元教え子のために、草薙に内緒で動く。

草薙の部下、内海刑事を巻き込んで、湯川の自分の人生をかけた真剣パフォーマンスが始まる…。


湯川先生が、教え子を救う方法が素晴らしい。
彼の代わりに殺人を犯す寸前まで行くのです。

湯川先生の人の考えを見抜く力はすごい。
彼にかかっては悪事が全部バレてしまいそう。

そんな鮮やかな手腕は一読の価値ありです。

ところで、ドラマでは、原作を少し変えて、古芝の姉を置き去りにした政治家の進退が視聴者向けになっていました。
原作はなんか、もやっとしていたんですよね。
よりすっきりしたラストでした。
ブルーレイにもなっているようです。

禁断の魔術 (文春文庫) [ 東野 圭吾 ]
禁断の魔術 (文春文庫) [ 東野 圭吾 ]


ガリレオ 禁断の魔術【Blu-ray】 [ 福山雅治 ]
ガリレオ 禁断の魔術【Blu-ray】 [ 福山雅治 ]

【一般小説】藤木稟『バチカン奇跡調査官2 サタンの裁き』4

バチカン奇跡調査官 サタンの裁き (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]

美形の神父、平賀とロベルトが奇跡調査を行うシリーズ第2弾。
『サタンの裁き』です。

主役の二人がいかに美しいかが、冒頭で叙述されています。
さらにこの巻では、もう一人、ゲスト的な司祭、ジュリアが出てきて、これがまた、プラチナブロンドで美しいようなのです。

カソリック、というものすら、美しさを引き立てるモチーフなのかもしれませんね。

さて、レビュー。


今回、平賀とロベルトに下った奇跡調査の指令は、「腐らない死体」の謎を解くこと。
とあるアフリカの教会で、画家で預言者、ヨハネの遺体が安置されているが、特に防腐処理を施したわけでもないのに、全く腐らないという。
そのため、ヨハネの信者は、彼が神の加護を受けている証拠であり、聖人に加えて欲しいという。

バチカンは、そう簡単に奇跡を認定するわけにはいかない。
平賀とロベルトは、ヨハネの遺体のある独立国家ソフマ共和国に飛んだ。

そこは、土着の宗教も進行されており、セント・カルメル教会も、うまく共存していた。

教会の司祭、ジュリアの許可を受け、二人はヨハネの遺体を調べるが、報告書通りに全く腐敗は見つからず、死後硬直もなく、まるで眠っているかのようだった。

平賀は、解剖以外のあらゆる方法で遺体を調べるが、まったく科学的な説明は付かなかった。

同時に、教会内に不穏な空気が漂う。

ヨハネが生前遺した予言によると、遠くから来た神父のうちの一人が命を落とすという。
それが、ロベルトではないという噂が立つ。

実際、ロベルトは、突然倒れたり、毒蛇にかまれたり、さらには、平賀の目から見ても、少し異常な雰囲気を漂わせることになる。

ヨハネは聖人になれるのか。
また、ロベルトに身に何が起こっているのか。

他にも殺された人が出たり、事件と謎は増えるばかり。

もちろん、これには黒幕が居た。
ロベルトが古書を解析し、平賀が科学的な研究を行うことで、謎は解けて、黒幕が明らかになるものの、教会もこの国も、巨大な陰謀に巻き込まれている様子。

しかも、真犯人はどこかに逃亡してしまう。

バチカンとしては、犯人逮捕はどうでも良く、奇跡を解明することで面目が保たれたので、そこで調査は終わり。

シリーズ全体に広がるストーリーが見え隠れする回となりました。


何より、注目なのが、平賀とロベルトの信頼感が高まったこと。
ロベルトのある経歴が明らかになったことで、二人の仲はより近づいたように感じます。
というか、読者にそう感じさせようとしてるに違いないのです。

まだ2巻目。
とても長いシリーズなので、これから二人の関係がどうなるかが楽しみですね☆彡


バチカン奇跡調査官 サタンの裁き (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]
バチカン奇跡調査官 サタンの裁き (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]

【一般小説】藤木稟『バチカン奇跡調査官1 黒の学院』4


バチカン奇跡調査官 黒の学院 (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]


見目麗しい神父二人が、奇跡的な謎に迫るシリーズ。
このシリーズもバディものだし、ほんのり、BL臭がしますよねー。

1作目「バチカン奇跡調査官 黒の学院」のレビューです。


超美形の日本人、平賀と、ローマ彫刻のような完璧なプロポーションと甘いマスクを持つイタリア人、ロベルトは、カソリックの総本山、バチカンの神父。
神父でありつつ、専門分野を持っていて、平賀は科学・医学全般、ロベルトは古文書に精通している。
二人が勤めるのはバチカン内の「聖徒の座」で、ここでは様々な分野の研究が行われている。

二人は、通常は自分の専門分野の研究を行っているが、全世界のカソリックの教会や修道院で「奇跡」が起こったという報告があると、奇跡調査官として調査に赴く役目も担っているのだ。

第1作目の今作、「黒の学院」では、とあるシスターの身に起きた、処女懐胎の報告がバチカンに届いたことから始まる。

処女懐胎は、本来、キリストの母であるマリアだけに起こらなければならないものであるはず。
なのに、普通のシスターが処女で身ごもったとなると、カソリックの教えに矛盾が出てしまう。
バチカンとしては、これを奇跡と認めるわけにはいかない。
なんとか、人間の仕業であることを証明しなければ。

そこで、平賀とロベルトは、この謎を解く指令を受け、シスターが勤める修道院に併設されているアメリカのカソリック学院に赴いた。

学院とともにある修道院や教会などを調べていくうちに、教会の神父が次々と殺される事件が起こる。
また、学院の生徒の中にも、宙に浮いたり、手から血を流したり、不思議な現象が起こるものが現れる。
そして、説明のつかない現象がこれでもかと二人の前で繰り広げられ…。

これらは、神の怒りか、サタンの仕業か。

平賀は科学的な見地から、ロベルトは暗号を読み解くことによって、謎を解いていく。

すると、学院の背後に、第二次世界大戦時から続くとある大きな陰謀が見えてくるのだ。


このシリーズは、一見、人知を超えた、オカルト現象と思われたものでも、二人が調査をすると、科学と人間の行動によって説明がつく出来事になってしまうようなのです。

視点が章ごとに変わり、平賀だったり、ロベルトだったりするのですが、「黒の学院」では、さらに神を全く信じていなかった転校生の視点が挟まれていて、だんだん洗脳されていく様子が読み手に臨場感を持って示されていくのです。

ちょっと人が死に過ぎで、死にざまもぞっとするものが多いのですが、「ホラー文庫」ですからね。
でも、最後は謎が解けると思って読むと、ホラーというより、ミステリーとして楽しむことができます。

この現象に、いったいどんな説明をつけるのか。

著者はキリスト教のことだけでなく、科学や医学、暗号学などにも精通されているのかなーと思います。
間違ったことを書いたら、カソリックから文句が来そうですものね。

そして、美形二人のバディっぷりがまた、乙女心、腐女子心をくすぐります。

現在、20冊以上シリーズが出ているので、少しずつ読み進めていこうと思います。

バチカン奇跡調査官 黒の学院 (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]
バチカン奇跡調査官 黒の学院 (角川ホラー文庫) [ 藤木 稟 ]
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